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TEL:0749-25-1294
MAIL:ijo@artplan.ne.jp 

●はじめに

株式会社アートプランは、これまで産業用の自動化・省力化機械装置を一品一様(オーダーメイド)にて、設計・製作をしてまいりました。この仕事はお客様の依頼にて案件を受注する為、いわゆる待ちの仕事です。

攻めの仕事をする為には自社製品が必要です。なんとか自社製品が欲しい、出来れば福祉関係で弊社の技術を活かした装置が出来ないかと考えていた折H209月、以前より面識のある滋賀県立大学工学部 安田寿彦准教授「自立支援型移乗補助装置」のシーズ発表がありました。

下半身に不具合が有っても、上半身が動かせれば介助者の手を借りずに要介護者が自身で操作し移乗が出来る装置です。(写真 1

施設等で介助をしている方は時間に追われ、介助者が使用する移乗補助器具は使用されない傾向にあり、要介護者の自立を支援する移乗補助装置が必要とのことでした。

私はこれまで探していた物は「これだ!弱者を支援出来る装置!」弊社の技術を活かし商品化出来ると確信し、安田先生と共同研究を進めることになりました。

●これまでの歩み(助成金獲得編)

しかしながら思いもよらぬ事が起こり業績は落ち込みました。そう、リーマンショックです。このままでは開発はままならない、何とかならないか・・・。

21年度の「滋賀の新しい産業づくりチャレンジ計画」に応募しましたが、この装置を本当に欲しがっている人がいるのかの検証が不十分と言うことで不採択となりました。それなら検証してやるぞと、彦根市を中心に近郊の施設等へアンケート調査を約半年間行い、施設収容人数の約30%の方が対象者(下半身に不具合が有っても、上半身は動かせる)であり、施設全体でも約50%の方が必要と思っていることが分かりました。

これを踏まえ、弊社としては要介護者の自立を支援するとともに、介助者の負担軽減を図り、なんとしても移乗補助装置を市場化することが使命だと考えるようになりました。

その後もH216月「ものづくり中小企業製品開発等支援補助金」に応募しました。

もう少しの所で不採択。さらに9月にも同補助金(2回目)も不採択となりガッカリしましたが、そうもしていられません。H22年度の助成金獲得に向け申請書のグレードアップに心がけました。

22年度には「滋賀の新しい産業づくりチャレンジ計画」に再度応募、また「特定ものづくり基盤技術高度化認定」(サポイン)とNEDOの「福祉用具実用化開発推進事業」に応募しました。結果、一番早くNEDOに採択された為、他の事業については辞退致しました。NEDOに採択された事により、研究開発に拍車がかかり実用化へと大きく前進させることが出来ました。


●これまでの歩み(研究開発編)

滋賀県立大学の試作機(写真1)は、モータを駆動源とし歯車を組合せたもので重量も100kg程あり、駆動モータは高価なサーボモータを使用した多関節式(4駆動)となっていました。このままではとても商品化は出来ません。低コスト・小型化・軽量が課題となりました。

まず、必要最小限の動作に留めることで多関節(4駆動)から2駆動にしました。これは滋賀県立大学の身体的負担の少ない姿勢調査で移乗前と移乗後のヘッド(身体をあずける部分)の角度が判明していたので、この平均値をとり移乗前と移乗後の角度をもたらす回転支点を出すことで、昇降動作を1駆動で可能とさせることが出来ました。(特許申請項目)当初トグルリンク方式(倍力リンクにて小型モータで大きな力が出せる)にて試作しました。(写真 2

しかしリンク構造の為、少しの隙間が大きなガタを発生させ上手く行きません。そこで駆動を直結方式とし補助バネを使用しました。

昇降駆動に使用しているものは、ベッド等で量産されている電動アクチュエータを採用、さらに回転駆動にはこの電動アクチュエータに使用されているモータとギアを単品で使用することで大幅なコストダウンが可能となりました。

数々のこまかい不具合を克服すると同時に安心・安全な機構を盛込み試作2号機(写真3)を完成させ、倫理委員会を経て福祉施設等へモニターテストを実施しました。

全体的には、良い評価を頂きましたが小型軽量化(重量60kg)が課題となり当初の許容体重100kgを80kgに変更し全体の小型軽量化を図った(重量30kg)試作3号機を完成させました。(写真 4

成安造形大学 石川泰史准教授に「人に親しみを与えられるデザイン」をお願いしました。ヘッド部やヒザ当て部は淡いグリーン系にて安心感を出し、昇降アームはブルー系を使用することで動作(力強さ)を強調しました。

人に親しまれるネーミングも必須です。日々考えていた頃テレビから「友愛の精神」と言う言葉が聞こえました。そうです!元総理の鳩山首相の言葉でした。それにヒントを得て愛の移乗、すなわち「愛移乗くん(あいじょうくん)」と名付けました。この愛移乗くんのロゴも石川泰史准教授にお願いし最終試作機を完成させました。(写真 5

 

●製品の特長

これまでの移乗器具と比べて最も異なる点は、要介護者の自立支援型となっており介助者の手を借りずとも要介護者自らが操作し移乗できることにあります。

このことにより、要介護者の自立のみならず、精神的(おむつを余儀なくされている)負担も解消でき、誰にも気兼ねせず自分の好きな時に一人で移乗することが可能となります。介助者は腰痛に悩む人が80%にも及び、職業病ともいわれています。これにより介助者は重労働との見解も多く、介助者人数も少ないばかりか、腰痛が原因で介助業務を辞めざるえない状況にもあります。これも身体持上げ動作の重労働に起因するものですが、この移乗補助装置はこのような介助者の負担の軽減にも大きく貢献できます。

使用状態を想定した各器具配置は次の通りです。

a)車椅子便座(片側90°回転)、トイレに設置。1

b)ベッド車椅子、ベッド⇔便座(両側90°回転)、室内に設置。
   (図2


     図2 一般家庭での使用例         図1病院などでの使用例

      

●おわりに

  自立支援型移乗補助装置「愛移乗くん(あいじょうくん)」は、滋賀県立大学工学部安田寿彦准教授をはじめ、滋賀県東北部工業技術センター酒井一昭技術指導員(強度試験)、成安造形大学 石川泰史准教授(デザイン)、(財)豊郷病院パストラールとよさと他、多くの福祉施設(モニター評価)や(公)滋賀県産業支援プラザ、そしてNEDOのご協力のもとに実現することが出来ましたこと感謝しています。

  前記した様に、弊社は産業用機械装置をオーダーメイドで設計・製作している会社であり、個人向けの量産用機器の開発ははじめてでした。当初より多大なご協力を頂いた元、松下電工(株)彦根工場 油善紀開発部長のご協力無くしての実現は不可能でした。こうした皆様方のご協力のもと実用化した「愛移乗くん」を、多くの方々に使用して頂ける様、販促にも力を入れて参ります。


  23年9月「日中ものづくり商談会」(上海)や10月「国際福祉機器展示会」(東京ビッグサイト)に出展しましたが、反響も多く手ごたえも感じています。12月に開催される「東京ビジネス・サミット2011 in 神戸」には、サミット大賞にノミネートされました。また、福祉機器等全国展開している企業様よりのオファーも頂いており今後ますます販促を加速させたく思っています。

  要介護者の自立を支援する福祉機器は、超高齢化社会を迎える日本を始めこれから迎えようとする世界において、必要不可欠なものであると確信し日本から発信致します。

CopyRight 株式会社アートプラン     2010年11月